凛々しく、可憐な許婚
司会のアナウンサーの声に続いて、

二人のお気に入りの曲が流れ出す。

いつか、尊のスマホで見せてもらった漫画のキャラクターが手を繋いで歩いていた。

それは、弥生が10年間ずっと描いてきた同人誌で2次元化された尊と咲夜だった。

二人が生まれてから中学生まで。こちらは写真とアニメを混在させて作成されていた。

14歳の尊がパーティーで初めて咲夜を見かけてから以降はアニメオンリーだ。

インターハイ地区予選での出会いと再会、高校卒業から教師として再会するまでのお互いの道のり。

一緒に暮らし始めてからの二人の様子などが感動的にまとめられていた。

あまりの素晴らしい出来上がりに、咲夜は感動して涙を流していた。

どれだけ打ち合わせをしたのだろう。どれだけの枚数の原画を描いたのだろう。編集だって大変だったに違いない。

たった3ヶ月間でこれだけのショートフィルムを完成してくれた川上と弥生に感謝しかなかった。

そして、このサプライズに協力を惜しまなかった許嫁いや夫となった尊にも愛しさを感じずにはいられなかった。

この3ヶ月間で本当に色々なことがあった。

毎日が驚きや戸惑いの連続で、だけど、とても愛しくて。

すでに一緒に暮らしているが、全く飽きることはない。

咲夜にとって、尊にとって、お互いが唯一無二の存在だと実感する毎日だ。

「咲夜幸せになろう」

涙ぐむ咲夜の目尻に、尊がそっと口づけた。

"二人の旅はまだ始まったばかり"

そうビデオが締め括ると、割れんばかりの拍手が会場を包み込んだ。




END


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