主任、それは ハンソク です!

「俺がさっきから言ってるのは、このメモ用紙のことだ」

 変な汗が噴き出て来た。にわかに体も震えだす。

「これ、買ったものじゃなくて、手作りだろ?」

 私は、魂が抜けそうになりながらも、かろうじて頷いた。
 そう、あれは紛れもなく私のオリジナル。

 影が薄い他にもう一つ、特技でも何でもないただの趣味みたいなものだけど、私にはちょっとしたものを適当に自作してしまうクセがある。

 例えば、皆の机の上にあるペン立て。

 以前、取引先から大量にもらった飴の缶があまりにも可愛かったから、悪目立ちする成分表示の上に、パソコンで作った一年カレンダーを貼り付けてペン立てにした。
 カレンダーのデザインはなるべく缶のイメージと合せる努力はしたつもり。

 そのうち、同じ缶をもらった人や、可愛くて捨てられない缶を持っている人から自分にも作ってほしいと言われて、つい調子に乗ってホイホイ作ると、本当に馬鹿でお人よしだね、と久住先輩には呆れられた。

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