主任、それは ハンソク です!

 そして、件のメモ用紙も。

 あくまでも部署で内々に使うものと、みんなも分かっているから、外に持ち出すような事は無かったのに……。

「絵日記仕立てのメモ、変なところ凝ってるクセに案外見やすくて悪くないな」

 あれ?

「あ、ありがとう、ございます」

 訳も分からず頭を下げると、だから下げるなって、とまた怒られる。

「……なぁ、もしかしてこのペン立ても自作か?」

 ぎこちなく頷くと、隣の久住先輩が自分の机の上を指さした。

「こっちのメモも、ですよー」
「どれどれ」

 まって! そっ、それはっ! それだけはっ!
 焦る私を横目に、久住先輩がひょいと主任にそれを手渡してしまうと、なぜか私を見てニンマリと笑った。

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