主任、それは ハンソク です!

「でもさ、よぉーく考えてみたら。本来ならそこにいるはずのない部類の人間なのよ、私って。その証拠に、上司や先輩はもちろん、後から入ってきた就職氷河期の後輩達の足元にも及ばないの、私の仕事っぷり」

 いたたまれない気分になってくる。

「案の定、真っ先にリストラ候補に上がって、そのまま、はい、さようなら~だったわけ」

 膝の上の拳に力が入る。そうか、この人も一瞬だけ高見を見せられて、そのまま急転直下で落とされた人なんだ。

「しょうがないから、地元に戻ってお見合いでもするかー、って思ったら、こっちは田舎でしょ? よさげな人はみーんな売り切れてんの。もう残ってるのは農家の長男、しかも青年部とか言っといて、その実はしっかり熟年のおっさんよ」

 久住先輩はケラケラ笑いつつ、たっぷりとハニーマスタードソースをサクサクナゲットに擦り付けた。

< 119 / 206 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop