主任、それは ハンソク です!
「見合いの席で、あんまりにもおっさんだったから、もしかして奥様に先立たれたんですか、って言ったら、そのおっさんのママンが、んまーっ! うちの子はバツなんてついてない、立派な独身貴族です! って大激怒」
一息でそういうと、久住先輩はナゲットを口に放り込んだ。
「こっちはわざわざ気を使って、あえて『逃げられた』って表現を避けたのに、なんとそれ以前だったとは」
その前に釣書くらい見ておけよ私、って感じだよねぇ、なんてカラカラ笑う久住先輩の表情が、一瞬だけ悲しそうに歪んだのは、気のせいだろうか。
「ま、結局、私も含めてなんだけどさ、身の丈を知れってことよねー」
「……みの、たけ」
そうそう、と面倒くさそうに久住先輩が返事した。
「変に期待するから勘違いもするわけで、それ以前に己の価値をきちんとわかっていたらさ、冒頭からコース取り間違うこともないじゃん?」
確かに、そうかもしれない。だとすれば、私はやっぱり……。
「どしたの? えらい暗い顔しちゃってさ」