主任、それは ハンソク です!
*
「……やっぱり無理だよ」
「んが?」
久住先輩が、お弁当を貪るその手を止めて私を見た。
お昼休みの電話当番の久住先輩に付き合って、私は久々に商品課のブースに居る。フロアにはまばらに人影があるけど、私たちの周囲には誰もいない。
私は例のコンペ話が頭に渦巻いて、ちっとも箸が進まない。
「無理って、なに、デザインコンペのこと?」
図星の一言に思わず体を強張らせると、先輩がニンマリ笑った。
「いやさっきさぁ、常務に書類届けに行ったら、大将軍のメモが机の上に乗っててさー」
そういうのも抜け目なく見るんだ、この人は。
「……ええ、まぁ」
しぶしぶ同意すると、あー、まー、ねー、と何とも微妙な返答をしてくる。
「ああいう大手のコンペってさ、んぐ、いろんなところから、あぐ、応募が、ごく、来るんだけどさ」