主任、それは ハンソク です!

「得野さんは、うちの奥さん、初めてだよね?」
「は、はいっ」

 あわあわしながら頭を下げると、清住さんの奥さんがほほ笑みながら会釈をした。あの大胆で、かつ繊細な文字を書いた人らしく、落ち着いた大人の女性って感じだ。でも、笑うと案外幼くも見える。

 そして、何よりも特筆すべきは清住さんだ。
 こんな、デレてる清住さんを、私は今まで見たことがない。

「……だらしなすぎだろ。あの顔」
「へ?」

 横で主任が不愛想につぶやいた。この場合、返事するべきなのか、悩む。

「さぁーてとっ」

 突然、この奇妙な場を一掃するようにアジアンビューティーが一声上げた。

「まずは、今日の集いを祝して、乾杯、いっちゃう?」
「カ、カジタツさんてばっ!」

 またしても隣の女性があたふたしだす。

「あれ、カジタツの嫁」
「はぁ、カジタツさんのよ……め?」

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