主任、それは ハンソク です!

 やっぱりそういうことかぁ、と主任が呆れた風に呟いた。

「じゃあ、あれか。クラスの目立ち男子にいじられてると、前に意地悪してたヤツが庇ってきて大乱闘とかになったりとか」

 私は思わずまじまじと主任を見た。

「すごいですね、どうしてわかるんですか?」

 主任は苦笑しながら、焼酎を口に運ぶ。

「お前さんさ、実は、隠れてモテてたぞ」
「はぁっ!?」

 私の素っ頓狂な声に、一瞬店内が静かになった。それと同時に視線が私に集中する。はわわわ、と慌てふためく私の前に突然主任が身を乗り出してきた。
 まるで私を視線から隠すように。

「まぁ、落ち着け」

 それは。
 低くて、体に響く優しい声。

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