眠れる窓辺の王子様


 ちょうど三年前に、今私たちが住んでいる小さなマンションに引っ越してきてからは、我が家はトイレ付きユニットバスになった。


 もちろん私は断固反対して、トイレとお風呂を別にするように訴えたのだけれどそれも虚しく、今現在不便な生活を送っている。


 とまあそういう訳で、誰かがトイレを使うためにドアの鍵を閉めてしまえば、必然的に洗面台もお風呂も使えないのだ。




 そして今日は、じゃんけんに負けてしぶしぶ嫌々引き受けた風紀委員の当番の日だった。



 朝早くから校門の前に立って、悲しいかな誰も挨拶を返してくれないのに「おはようございます」の声掛けを何度も繰り返し、

校則を守っている人の方が圧倒的に少ないであろう制服のチェックをしなければならない最悪の日だった。


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