みんなに繋ぐ、全ての想いをここに
〜零 side〜

ども

零だ

自己紹介は簡潔に終えて、今の状況を整理する

まず、俺達は春の水鏡で美愛────本名は美杏を占い、彼女を突き放した

それがつい一時間前のこと

で、美杏は部屋から出ていったと、後悔じみた声で千聖たちは言った

俺はそれを聞いて、美杏の正体を調べるために、長い階段を登って図書室の最上階に来たのがついさっき

一応千聖に許可は取っているし、何度も来たことがあるため、気兼ねなくドアを開いたのだが

なぜ、本に囲まれながら、机に突っ伏して寝ている美杏がいるのか

微かに魔力の気配がするな

魔法を使ったのか

「にしても・・・・・・」

こいつ、正真正銘の人間だろ?

別に世界に害を為す奴には到底見えない

もしそんなことをするならば、今まで呑気に学校生活を謳歌したりするはずはない

いや・・・・・・それなら、神が占い結果を騙った、そういうことになる

神を疑うわけじゃねぇけど、それじゃあ矛盾してんだろ?

神は常に平等であるべきだ

それが普通だ

っつーのは考えても仕方ねぇから、とりあえず近づいてみる

寝顔がかわ・・・・・・いや、なんでもねぇ

こいつは魔法界の敵なのだから

しっかし・・・・・・この机に並べられた本の数が尋常じゃない

いかにも、本の山、そのままだ

しかも一冊一冊が厚い・・・・・・しかも題名が精霊語だ

精霊語は精霊の共通言語だが、魔法使いやドワーフなどの人外種も覚えることの出来る

こいつの脳内、どーなってんだよ
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