エリート弁護士と婚前同居いたします
「いいの、佐田くん。巻き込んでごめんなさい。上尾くん、佐田くんは悪くないの。私が最初から上尾くんに言えば良かったのだけど、切り出しにくくて。でも香月さんに謝りたくて佐田くんに甘えてしまったの。ごめんなさい」
しっかりと朔くんを見つめて頭を下げる日高さん。私には彼女のその毅然とした姿勢がとても眩しかった。
日高さんの以前の行為に私は傷ついた。だけど指摘してもらわなければ気づかなかったことも多い。そして自分がどれだけ未熟なのかも知ることができた。彼女は佐田さんの言う通り悪い人ではないと思う。
「朔くん、日高さんは悪くないよ。私、日高さんのおかげで気づいたことやわかったことがいっぱいある。むしろ感謝してるの。だから怒らないで」
彼の綺麗な目を真っ直ぐに見て言うと、彼はフイと視線を外す。朔くんが私のために怒ってくれていることはよくわかる。だからこそ私が言わなきゃいけない。
「……茜がそう言うならいい」
「ありがとう、茜ちゃん」
「……ありがとう」
日高さんがおずおずと言う。
「本当にお前は茜ちゃんのことになると目の色が変わるなぁ」
さっきまでの萎らしさはどこへやら、半ばからかうように言う佐田さんを朔くんが片眉をあげて睨み付ける。
「うるさい!」
「ひどいなぁ、同僚に! まあ、でも日高、そろそろ帰ろう」
そう言って佐田さんは日高さんを促す。彼女は私を最後に見て深々と頭を下げた。私も慌てて頭を下げる。
しっかりと朔くんを見つめて頭を下げる日高さん。私には彼女のその毅然とした姿勢がとても眩しかった。
日高さんの以前の行為に私は傷ついた。だけど指摘してもらわなければ気づかなかったことも多い。そして自分がどれだけ未熟なのかも知ることができた。彼女は佐田さんの言う通り悪い人ではないと思う。
「朔くん、日高さんは悪くないよ。私、日高さんのおかげで気づいたことやわかったことがいっぱいある。むしろ感謝してるの。だから怒らないで」
彼の綺麗な目を真っ直ぐに見て言うと、彼はフイと視線を外す。朔くんが私のために怒ってくれていることはよくわかる。だからこそ私が言わなきゃいけない。
「……茜がそう言うならいい」
「ありがとう、茜ちゃん」
「……ありがとう」
日高さんがおずおずと言う。
「本当にお前は茜ちゃんのことになると目の色が変わるなぁ」
さっきまでの萎らしさはどこへやら、半ばからかうように言う佐田さんを朔くんが片眉をあげて睨み付ける。
「うるさい!」
「ひどいなぁ、同僚に! まあ、でも日高、そろそろ帰ろう」
そう言って佐田さんは日高さんを促す。彼女は私を最後に見て深々と頭を下げた。私も慌てて頭を下げる。