エリート弁護士と婚前同居いたします
「わ、わかった! お詫びに朔くんのお願いをひとつ聞くから!」
近い距離に慌てて、思わずそう口走ると朔くんがフッと表情を緩めた。
「本当に? なんでも聞いてくれる?」
こくんと頷いて言う私。
「なんでも! 料理当番も掃除当番も替わるし、あ、でも何か高価なものを買って、とかは無理だから!」
念のために制限をかける。
「そんなのいらないよ。俺が叶えてほしい願いはひとつしかないから」
朔くんの目と声が急に真剣なものに変わる。
「茜、俺と結婚して」
時間が止まった気がした。言われた言葉をもう一度頭の中で反芻する。
結婚? 朔くん、今、結婚って言った?
パチパチと瞬きを繰り返す。眼前の妖艶な笑顔は先程から変わらない。
「あの……」
空耳かと思って口を開く私。クス、と彼が笑みをこぼす。
「聞き間違いじゃないから。俺と結婚してほしい」
私のことはなんでもお見通しの彼が、もう一度言う。両手をギュッと握られる。彼の大きな手から伝わる温もり。
ドキンドキンドキン……!
これは夢?
鼓動が一気に暴れだす。甘い痛みに胸が締めつけられる。
返事をしたいのに声が出ない。かわりにいつの間にかこぼれだした涙が足元にぽたりと落ちる。
近い距離に慌てて、思わずそう口走ると朔くんがフッと表情を緩めた。
「本当に? なんでも聞いてくれる?」
こくんと頷いて言う私。
「なんでも! 料理当番も掃除当番も替わるし、あ、でも何か高価なものを買って、とかは無理だから!」
念のために制限をかける。
「そんなのいらないよ。俺が叶えてほしい願いはひとつしかないから」
朔くんの目と声が急に真剣なものに変わる。
「茜、俺と結婚して」
時間が止まった気がした。言われた言葉をもう一度頭の中で反芻する。
結婚? 朔くん、今、結婚って言った?
パチパチと瞬きを繰り返す。眼前の妖艶な笑顔は先程から変わらない。
「あの……」
空耳かと思って口を開く私。クス、と彼が笑みをこぼす。
「聞き間違いじゃないから。俺と結婚してほしい」
私のことはなんでもお見通しの彼が、もう一度言う。両手をギュッと握られる。彼の大きな手から伝わる温もり。
ドキンドキンドキン……!
これは夢?
鼓動が一気に暴れだす。甘い痛みに胸が締めつけられる。
返事をしたいのに声が出ない。かわりにいつの間にかこぼれだした涙が足元にぽたりと落ちる。