エリート弁護士と婚前同居いたします

「茜を愛してる。ずっと傍にいてほしい」

焦げ茶色の瞳に真摯な光をたたえて、彼が私を真っ直ぐ見据える。
「本気……？」
小さな震える声で問う私に彼が大きく頷く。私の左手をとって、薬指にキスをする。胸に彼への気持ちが溢れて涙がとまらない。

「もちろん」
躊躇うことなく、力強く答える彼。
「茜、返事をして」
優しい懇願。全然罰になってない。
お願いなんかじゃない。私にとったら嬉しいだけの出来ごと。

「は、い！ よろしくお願いします」
涙でグチャグチャになった顔で必死に返事をする。
「私もあなたを愛してる……！」
伝えたかった大事なひと言。出会ってすぐに私の心を占領し続けた誰よりも素敵な人。
こんなにこの人に惹かれるなんて思わなかった。彼に同棲を持ちかけられた時はあんなに腹をたてていたのに。

「茜、泣きすぎ」
蕩けそうな笑みを浮かべる彼はやっぱりとても素敵で目が離せない。
私の涙を長い指で拭ってくれた彼が、そのまま私と唇を重ねる。