エリート弁護士と婚前同居いたします
窓際に座る私たちのテーブル席は大きな通りに面していて、スーツ姿の会社員、子ども連れの母親など様々な人が行きかう。十二時を少し過ぎたばかりの店内は混雑していて二十席ほどあるテーブル席は全て来店客でうまっている。
このお店はパスタが美味しく、ランチの値段も手ごろだ。職場の隣のビルにあるため、よく利用している。お昼時はこの辺りに勤務する会社員の男女がよく利用しているようで、今も来店客のほとんどはどこかの会社の制服姿の女性やスーツを着た男性だ。
目の前の美味しそうなパスタと飲み物が載った丸テーブルにつっぷしたくなる気持ちを抑えて、また溜め息をつく。
「茜さん、彼氏は?」
お人形のように完璧なエクステが施されたまつ毛で瞬きをして、瑠衣ちゃんが私に尋ねる。
「……知っていて聞いているの、瑠衣ちゃん?」
ですよね、と彼女は悪びれもせず肩をすくめる。一見可愛らしくお人形さんのような外見の彼女だけれど、実はかなりの毒舌で遠慮のない性格だ。そういうところは、好き嫌いがはっきりしていて面倒見のよい私の親友によく似ている。
大学四年生から付き合っていた彼氏とは二年前に別れた。社会人になってお互いに仕事が忙しくなったことが別れの原因になったのかはわからない。
大手飲料メーカーに就職した彼と休日が同じにならない日が増えるようになり、小さな喧嘩が増えた。それは学生時代だったら許容できていたかもしれない。でも大人になるにつれ、色々な現実と考え方の違いがみえてくる。
このお店はパスタが美味しく、ランチの値段も手ごろだ。職場の隣のビルにあるため、よく利用している。お昼時はこの辺りに勤務する会社員の男女がよく利用しているようで、今も来店客のほとんどはどこかの会社の制服姿の女性やスーツを着た男性だ。
目の前の美味しそうなパスタと飲み物が載った丸テーブルにつっぷしたくなる気持ちを抑えて、また溜め息をつく。
「茜さん、彼氏は?」
お人形のように完璧なエクステが施されたまつ毛で瞬きをして、瑠衣ちゃんが私に尋ねる。
「……知っていて聞いているの、瑠衣ちゃん?」
ですよね、と彼女は悪びれもせず肩をすくめる。一見可愛らしくお人形さんのような外見の彼女だけれど、実はかなりの毒舌で遠慮のない性格だ。そういうところは、好き嫌いがはっきりしていて面倒見のよい私の親友によく似ている。
大学四年生から付き合っていた彼氏とは二年前に別れた。社会人になってお互いに仕事が忙しくなったことが別れの原因になったのかはわからない。
大手飲料メーカーに就職した彼と休日が同じにならない日が増えるようになり、小さな喧嘩が増えた。それは学生時代だったら許容できていたかもしれない。でも大人になるにつれ、色々な現実と考え方の違いがみえてくる。