エリート弁護士と婚前同居いたします
「遠距離恋愛がだめだったのかなあ」
独り言のようにポツリと呟くと、瑠衣ちゃんが賛同する。
「そうですね、茜さんに遠距離恋愛は無理です。好きな人とずっと一緒にいたいタイプですから」
「違う! 傍にいられなくてもいいから、一緒に過ごす時間の大切さを理解してくれる人がいいの。一緒に過ごそうと努力してくれる人がいいの。話し合って向き合うことを受け入れてくれる人がいいの」
必死に説明する私を後輩は冷めた目で見る。
「その台詞、遠距離恋愛ができない人がよく言うことですよ。茜さんって外見は仕事ができる大人の女性なのに、恋愛に関してはいくつになっても高校生みたいですよね。常に全力で一生懸命。その恋愛観についていける男性は希少ですよ」
「それ、貴島(きじま)先生にも言われた」
同じ職場の歯科医、貴島 誠一(せいいち)先生は侑哉お兄ちゃんの親友だ。緩くウェーブのかかった前髪に黒縁眼鏡、細身で物腰のやわらかい彼は患者さんにとても人気がある。おもに独身女性患者さんに。でもその実態は笑顔で意見をずかずか言うし、侑哉お兄ちゃんと姉と同じ高校の同級生で私とも昔馴染みのせいか遠慮がない。
「ああ。言いそうですね」
瑠衣ちゃんは貴島先生が苦手らしい。絶対に腹黒い、と私によく言ってくる。
独り言のようにポツリと呟くと、瑠衣ちゃんが賛同する。
「そうですね、茜さんに遠距離恋愛は無理です。好きな人とずっと一緒にいたいタイプですから」
「違う! 傍にいられなくてもいいから、一緒に過ごす時間の大切さを理解してくれる人がいいの。一緒に過ごそうと努力してくれる人がいいの。話し合って向き合うことを受け入れてくれる人がいいの」
必死に説明する私を後輩は冷めた目で見る。
「その台詞、遠距離恋愛ができない人がよく言うことですよ。茜さんって外見は仕事ができる大人の女性なのに、恋愛に関してはいくつになっても高校生みたいですよね。常に全力で一生懸命。その恋愛観についていける男性は希少ですよ」
「それ、貴島(きじま)先生にも言われた」
同じ職場の歯科医、貴島 誠一(せいいち)先生は侑哉お兄ちゃんの親友だ。緩くウェーブのかかった前髪に黒縁眼鏡、細身で物腰のやわらかい彼は患者さんにとても人気がある。おもに独身女性患者さんに。でもその実態は笑顔で意見をずかずか言うし、侑哉お兄ちゃんと姉と同じ高校の同級生で私とも昔馴染みのせいか遠慮がない。
「ああ。言いそうですね」
瑠衣ちゃんは貴島先生が苦手らしい。絶対に腹黒い、と私によく言ってくる。