君と永遠に続く恋をしよう
そう思ったのに、世の中って何処までも思い通りにはいかないもので……。



(ゲッ!)


定時で仕事を上がった私は、社員通用口から表通りへ出て絶句した。

オフィスビルの壁際に立つ長身の男性が、大きなカサブランカのブーケを片手にしてるのが目に入ったからだ。


(な、なんであんな目立つことを…)


社長との面会が終わった後、桜庭さんとは外で待ち合わせる約束をした。
それは直接家に向かわなくて済むように、何処かの店に入り、彼と話し合いたいと思ったからだ。


(あれじゃ目立ち過ぎて何処に行っても注目の的じゃない!)


冗談じゃないよ…と腰が抜けそうになりながらも、放って逃げる訳にもいかず近付くことにした。



「……あの、桜庭さん」


恐る恐る声をかける私を通りすがりの女性達が見て行く。その視線を痛く感じながらも彼の方にだけ神経を注ぎ、なるべく早くこの場から立ち去りたいと願った。


くるっと振り向く彼に「お待たせしました」と頭を下げ、「何処かお店に入りましょう」と促した。


「此処に居ると注目を浴び過ぎて胸に悪いです」


< 27 / 197 >

この作品をシェア

pagetop