君と永遠に続く恋をしよう
「まあ、ようこそ。いらっしゃいませ」


ドアを開けて中へ入ると、母は嬉しそうに桜庭さんを招き入れた。

彼は「スリッパをどうぞ」と勧める母に向かい、深々とお辞儀した。


「この度の訃報の際には直ぐに出向くことも出来ず、大変失礼を致しました。本日も遅くにお伺いさせて頂き、誠に申し訳ありません」


丁寧にお詫びする彼に母は唖然とした様な表情を見せ、「お参りなんていつでもいいんですよ」と断った。

 

「これ、どうぞ」


ガサッと大きなブーケを手渡され、母は目を丸くする。


「生前に賢也が、『花で知ってるのはカサブランカだけだ』と言ってたんです。
仏花にしては香りが強くて向かないかもしれませんが、どうかお供え下さい」


紫のラッピングペーパーに包まれたブーケを見つめ、母は軽く抱きしめた。


「……ありがとう。早速飾らせてもらいますね」


そう言うと、リビングへお通して…と願い、パタパタと小走りしてキッチンへ向かう。

私はその背中を見送りながら溜息を吐き出し、兄さんてば…と胸の中で呟いた。

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