君と永遠に続く恋をしよう
(あの人は背が高くないし、あの人は高いけど顔は普通だし……。うーん、誰だろう。そもそも私の周りにいる男子でイケメンなんて居たかなぁ…)


顔のいい男は大抵は悪い奴だ、と亡くなった兄から常日頃言われていた影響かな。

自分からイケメンとは疎遠になる様な生活を送っていたし、向こうからも言い寄ってきたことなどない気がする。


そもそも周りに集まってくる男性達とは殆どが友人止まりで、付き合った経験も片手で余るくらいしかない私。

その人達も顔は十人並みで、背もそんなに高くなく、眼鏡を掛けるほどのインテリでもなかった筈だ。


(それなのに、超絶イケメンが私を訪ねてくるなんて無いよね。きっと何処か別の『緒方奈央』に用事なんだわ)



頭の中で、なんだ、そっか…と納得がいく。
期待しても虚しいだけだと諦め、今やるべき事は仕事、と頭を切り替えて働いた。


______________


昼食休憩で社食へ行った私は、トンカツ定食が乗ったトレイを手にした。


「今日はガッツリ系なの?」


一緒に休憩に入った角川さんに「はい!」と元気よく答え、「食べないとお腹か空くので」と言い訳した。


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