皇帝陛下の花嫁公募
 たくさんの人がいる気配がする。時間が来るまで椅子に腰かけていたものの、いよいよ結婚式だと思うと、胸がドキドキしてきて、なかなか治まってくれない。

「わたし、どうしよう。みんなの前で失敗したら……」

 田舎の国の王女だから、失敗するのだと思われそうだ。アンドレアスもがっかりするかもしれない。

「大丈夫よ、リゼット。あなたはたくさんのお嬢さん達の中から選ばれたんだから、自信を持ちなさい」

「そうですよ、姫様。弓を引いたときのことを思い出してください。あのときみたいに集中すれば、結婚式なんて簡単ですよ!」

 ナディア自身、まだ結婚してないのに、結婚式なんて簡単だと言う。少しおかしくなって笑ったら、肩の力が抜けた。

「そうね。みんなが見ている前で弓が引けたんだもの」

 朗読だってしたし、歌も披露した。楽器だって弾いたのだ。

 あれだけのことができたのだから、なんだってできるはず。

「エリーゼティア様、お時間です」
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