皇帝陛下の花嫁公募
 銀色の飾りがついている白い軍服を身に着けていて、豪華なマントを羽織っている。そして、その頭には光り輝く帝冠があった。

 まさしくその姿は皇帝だった。リゼットは思わず見蕩れてしまう。

 リゼットは父王と共に、赤い絨毯を歩いて彼の許へと向かった。たくさんの客がいることは判っている。だが、今は気にならなかった。

 ただ、アンドレアスだけを見ていたから。

 リゼットは彼の隣に立った。

「綺麗だ、リゼット。もう少年には見えないな」

 彼の軽口に、リゼットは微笑んだ。もう緊張なんてどこにもない。彼の妃になれることで胸がいっぱいだった。

 大司教が聖書を手に何か話している。集中して聞こうと思うのだが、彼とここにいられる喜びを感じすぎて、大部分は聞き逃してしまった。

 やがて誓いの言葉を促され、口にすると、孤児院の男の子が綺麗な服を身に着けて、緊張しながら指輪を持ってきた。

 リゼットは手袋を外した。アンドレアスがリゼットの左手を手に取り、金の指輪をつけてくれる。リゼットも彼の指に同じ金の指輪をはめた。

 ベール越しに彼の笑みが見える。
< 161 / 266 >

この作品をシェア

pagetop