皇帝陛下の花嫁公募
 宮殿のしきたりも覚えなくてはいけない。女官達とも上手くやっていき、できれば親しく話せる人を増やしたい。

 アマーナリアの城はみんな親しみやすい人達ばかりだったし、何よりみんなリゼットが生まれたときから知っている人達だった。粗相をしても、多少のことなら許された。しかし、ここではそうはいかないだろう。

 だいたい宮殿が広すぎる。どこにどんな部屋があるのか覚えるのは大変そうだ。

 だが、それでも、アンドレアスの妃になれた喜びは大きい。どんなつらいことがあったとしても、アンドレアスさえ傍にいてくれれば、耐える価値はあると思うのだ。

 皇妃の部屋の扉を開けて入った。

 贅を尽くした部屋はとても広く、それだけでもリゼットは圧倒される。代々の皇妃の部屋なので風格がある。皇太子妃から皇妃になったのなら、それなりの年齢になるだろうが、リゼットのように若くして嫁いできた皇妃はみんな自分のように頼りない気分になったことだろう。

 重々しい色調の豪華な部屋で、自分には合わない。だが、慣れれば、そのうちここが自分の部屋だと思えるようになるのだろう。
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