皇帝陛下の花嫁公募
「もし上手くおまえが実権を握ることができたら、何か便宜を図ってくれ」

 祖父のすることには下心が存在するということだ。呆れてしまうが、逆にこれほど判りやすい人間はいない。自分が得することには積極的に関わるし、損することには手を出さないのだ。

「なんとかするわ。だから、手紙のことはお願いね」

 微妙に約束することは避けた。祖父が扱う商品にはあまり詳しくないから、調べてからでないと明言はできなかった。

 とはいえ、祖父には借りがある。花嫁試験のときに滞在させてもらったし、しかも一番いい部屋を用意してくれた。流行のドレスを誂えてくれたことも忘れてはいない。

 かくして、リゼットは祖父の使用人から丈夫そうな若者を二人選んで、宮殿に連れ帰った。
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