皇帝陛下の花嫁公募
 祖父の使用人はリゼットが思っていたより優秀だった。

 しかも、祖父は人使いが悪かったらしく、おまけに薄給だったので、できればずっと宮殿で働きたいと言ってくれている。

 リゼットが前もって事情を説明し、身の危険があるかもしれないことを伝えても怯まず、逆にしっかり取り組むことを約束してくれた。こんな優秀な人材を薄給でこき使っていたとは、祖父も見る目がない。

 いや、単にケチなのかもしれないが、おかげで自分が味方を増やすことができたのだから、よしとしよう。テオは彼らと話し合って、それぞれ護衛をする時間を決めた。

 リゼットは護衛とナディアを連れて、相変わらず宮殿巡りをしていた。その際、公には会ってくれない公爵夫人と遭遇することもあったが、挨拶だけしかできなかった。向こうがリゼットをなるべく無視しようとしていることは間違いない。女官に、ここでの権力者は誰なのか示しているつもりなのかもしれなかった。

 公爵夫人は取り巻きを何人も連れて、行列するように歩いていた。彼女が連れている女官もツンと澄ましていて、嫌な印象を受けた。彼女と一緒にいることで、何がしかの利益を得ている可能性もある。

 それとも、単にわたしが田舎の王女だったということで軽蔑されているのかしら。
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