皇帝陛下の花嫁公募
 少しして、医者とその助手二人が衛兵と共にあたふたやってきた。中年の医者はリゼットのベッドで寝ているエミールを見て、顔をしかめた。

「皇妃様がお呼びだと言われたから来てみれば……。下働きの子供じゃありませんか!」

「いいから熱を下げてあげて! 下働きだろうがなんだろうが、身体の作りは一緒のはずよ」

「ですが、私は高貴な人を診るのが専門なのです。公爵夫人が知ったら、なんと言うか……」

 ここにも公爵夫人が幅を利かせていたのか。リゼットはグズグズしている医者に腹を立て、腰に両手を当てて、相手を睨みつけた。

「それなら、わたしはこの子の叔母代わりになります!」

「……叔母代わり?」

「母親代わりと言いたいところだけど、お母さんはちゃんといるから。つまり、この子はわたしの親戚よ。助けてあげて!」

 医者は仕方なさそうに助手に鞄を開けさせて、診察を始めた。
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