皇帝陛下の花嫁公募
 日々の暮らしの中で、リゼットはこの宮殿での生活に慣れるのが大変だったし、そのことで頭がいっぱいになることがあったが、それでもアンドレアスが自分にとって一番大切なのだと思えてきたからだ。

 どんなことよりずっと……よ。

 彼が馬を下りると、近衛隊も全員馬を下りる。

「我が帝国のために力を尽くしてくれて感謝する。これよりそれぞれ疲れを癒してくれ。解散!」

 近衛兵達が馬を衛兵に任せて、兵舎のほうへと向かっていく。アンドレアスはまっすぐリゼットのほうに近づいてきた。

「リゼット……!」

 彼は両手を広げる。リゼットは駆け寄り、その腕の中にしっかりと抱き締められた。

「会いたかった!」

「わたしも……すごくすごく会いたかったわ!」

 一緒に手を繋いで眠ったあの夜以来なのだ。リゼットは胸がキュンとなって、彼にしがみついた。

「泣いているじゃないか」

「だって……」

「可愛いな、リゼット」

 彼はリゼットの髪をそっと撫でた。だが、すぐに身体を離す。

「まずは側近を集めて報告をしないといけない。また後でな」

「ええ……待ってるわ」

 もっと一緒にいたいが、それは仕方ない。リゼットは彼が報告を終えるまでの間、身支度を整えることにした。
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