皇帝陛下の花嫁公募
 リゼットは悲鳴を上げて、ナディアを助け起こした。が、すでにぐったりしていて、顔は真っ青だった。

「ナディア! ナディア、しっかりして!」

 けれども、閉じられた目は開かない。リゼットはキッとゲオルグのほうを睨んだ。彼は真っ青になってブルブル震えている。

「そんな……。お、俺のせいじゃない! 本当だ! 俺は絶対毒なんて入れてない!」

 それなら、どうしてワインを口にした途端、ナディアが倒れるのか。絶対、毒が入っていたに違いない。アンドレアスは厳しい顔で立ち上がった。

「誰か! 医者を呼べ!」

 テオがいち早く行動を起こしていた。

「ただいま呼んで参ります! ナディアを部屋へ運んでください!」

 一人の長身の近衛兵がテーブルを倒さんばかりに駆け寄ってきて、ナディアをリゼットの手から奪い取った。

「ナディア! 目を開けてくれ!」

 その悲痛な叫びを聞いて、この彼がナディアの『いい人』だったのだと知った。

「ナディアを部屋に運んで。医者に診せるのよ」
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