皇帝陛下の花嫁公募

 男は仰け反って倒れ、すぐさま衛兵が飛びかかってきた。女は捕らえられたが、男はすでに気を失っていた。リゼットは拳を作った手をちょっと振ってみる。

「あらやだ。手が痛いわ」

「この馬鹿!」

 リゼットはアンドレアスの腕の中にぐいと抱き寄せられた。

「もう……いい加減にしてくれ! 私の寿命をどれだけ短くしたら気が済むんだ!」

 リゼットはアンドレアスの身体に腕を回して、ギュッと抱き締める。

「あなたが同じ目に遭ったら、わたしの寿命だって短くなっちゃうわ」

「リゼット……!」

 顔を上げると、彼の目から涙が流れ出しているのが見えた。

 愛しさが胸に溢れてくる。

 わたしの最高の旦那様。

「愛してるわ!」

 リゼットは彼の頬に手を添える。すると、ゆっくりと唇が重なっていった。
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