皇帝陛下の花嫁公募
 どうやら、一組ずつ別の部屋に呼ばれて、受付がされるようだった。

 順番をじっと待っているうちに暇になってきて、リゼットは隣に座る娘に話しかけてみた。

「あなたはどこから来たの?」

 娘は聞こえなかったのか、答えなかった。

 リゼットはもう一度、質問してみた。

「ねえ、あなたはどこから来たの?」

 彼女はリゼットをちらりと見て、鼻で笑った。

「あなたこそ、どこの田舎から来たの? 言葉に訛りがあるわよ」

 訛りですって?

 リゼットは家庭教師について訛りない言葉も話せるように訓練されてきた。が、農作業の手伝いなどをしているときは、訛りのある言葉を話していたため、ひょっとしたら、何か違うアクセントが出てしまっていたのかもしれない。

 それにしても、鼻で笑うことはないじゃないの。

 リゼットはムッとしたが、気取った娘に腹を立てても仕方ないと思った。何しろ、自分は流行遅れのドレスを着ていて、田舎者丸出しだからだ。

 でも、田舎者だからって何が悪いの?
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