皇帝陛下の花嫁公募
 夜になると、約束どおりアロイスがやってきた。

 リゼットは彼を部屋に迎え入れて、花嫁試験の話をした。

「わたしなんか、やっぱり皇妃には向いてないみたい」

 玉の輿を目指してはるばるやってきたというのに、つい弱気になってしまうのは、やはり周りの娘達と自分の常識が違うみたいだからだ。

「そうだろうか。皇帝は子供の世話をするかどうか……というより、子供を愛してくれる母親が必要だと思っているだけじゃないかな。だとしたら、子供のためを思って行動した君のほうが評価されるはずだ」

 アロイスはそんなふうに慰めてくれた。

 こんなふうに花嫁試験の愚痴を彼に言うのは間違っているかもしれない。けれども、彼が慰めてくれて、少し気が楽になってくる。

 とはいえ、アロイスは皇帝の考えを知っているわけではないし、女官がどう評価したかも判らないのだ。

 でも、確かに彼の言うことは納得できるわ。

「ありがとう。わたし、ダメだと思っても、まだ諦めるわけにいかないもの」

「お父さんのために?」

「父のためでもあり……家族のためとかいろいろあるのよ」
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