皇帝陛下の花嫁公募
 彼と話していると楽しい。傍にいるとドキドキするし、気分が高揚してくる。

 でも……。

 本当はいけないことだって判っている。それでも帰ってほしいとは言えない。

 だって、わたしが彼と一緒にいたいから。

 今はただ彼の傍にいたい。リゼットの望みはそれだけだった。

「もう帰らなくてはいけない。明日また来るから」

 えっ、もう?

 一瞬、彼を引き留めたくなった。だが、それはできない。本当はもう会わないほうがいいくらいなのに。

 だが、明日また来ると言われて、拒否はできなかった。

 いつかは彼と別れなくてはならない。それは皇帝との結婚が決まったときか、もしくはここを発つときだ。

 リゼットは皇帝と結婚できないまでも、この帝都でなんとか裕福な結婚相手を見つけたいと思ってきた。

 そして、玉の輿に乗ると。

 アマーナリアに少しでも援助してくれる人が必要だから。
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