MちゃんとS上司の恋模様
それなのに、どうしてなのか。私は須賀主任からのキスを拒めない。
それどころか、甘ったるいこの時間がもう少し続けば良いのに、なんてとんでもないことを考える始末だ。
わからない。須賀主任のことも、そして自分の感情も。
離れていく須賀主任の唇。それがなぜか無性に寂しくて、引き留めたくなる自分を抑えた。
野獣っぽく男らしい雰囲気の須賀主任だが、今はそれにフェロモンと色気を足したみたいに淫らな雰囲気を纏っている。
そんな主任を熱にうかされて見つめていると、彼は困ったように眉を下げた。
「お前、俺のこと。どう思っているんだ?」
「ど、どうって?」
そんなの私だって聞きたい。
須賀主任は鬼軍曹で、仕事に関しては容赦ない人だ。だけど、なにげに気遣いの人で課員たちは彼を慕い始めている。
仕事だって人に厳しいが、自分にはより厳しくしていることも知っている。
知れば知るほど須賀主任がただの鬼軍曹ではないことはわかり始めていた。
だけど、男として彼のことをそんなふうに考えたことはなかった私は、戸惑っている。
そう、戸惑いまくっているのだ。
とにかく答えが出なくて慌てふためく私から、須賀主任はため息をついて離れた。
そして今までの甘ったるい雰囲気を払拭するかのように、いつもどおりの須賀主任がそこにはいた。