MちゃんとS上司の恋模様
「ごめんね、真琴ちゃん!」
「えっと、久美さん?」
経理部にお使いを頼まれ、いそいそと向かっている最中だった。
営業に出かけていた久美さんにバッタリと会い、そしていきなり抱きつかれて謝罪されてしまった。
何事か! と目を丸くしていると、久美さんに腕を引っ張られて近くにあった会議室へと連れ込まれる。
「どうしたんですか? 久美さん」
特に久美さんに謝られるようなことはされていないと思うけど……
そう告げると、久美さんは首を大きく横に振った。
「私、須賀に頼まれていたのに……真琴ちゃんを守れなかった!」
「え?」
意味が分からず小首を傾げると、久美さんはもう一度「ごめんね」と頭を下げた。
「昨夜、藍沢に仕掛けられたんでしょ? 須賀から聞いた」
「あ……はい。でも、大丈夫でしたよ!」
無事でしたとアピールしたくて、ニッと口角を上げてピースサインをしたのだが、目の前の久美さんは未だに暗い表情だ。
「須賀は昨日、外回りで帰社が遅くなる予定だったのよ。それは私も知っていたの」