MちゃんとS上司の恋模様
色々思い当たる節はある。
私は、須賀主任がこの支社にやってきてからのことを思い出す。
須賀主任は就任早々、私により高度な仕事を覚えさせようとしていた。
その仕事の内容としては、須賀主任と二人三脚で動かなければならない内容ばかりだ。
須賀主任は私が自分の傍から離れないよう、咄嗟に守ることができるようにしていたというのか。
今までの疑問や不服が思い出される。それらはすべて、私を守るために須賀主任がわざとやっていたことだというのだろうか。
あ然としながら、久美さんを見つめる。
「連日の残業もそのためだったのよ」
「へ?」
目を丸くして久美さんを見つめると、急に険しい表情へと変わった。
「藍沢がずっと真琴ちゃんを待ち伏せしていたらしいの」
「!」
まさかそこまでして藍沢さんが私を狙っていたとは。驚きより、どこか異常で歪なものを感じて背筋が凍る。
押し黙る私に、久美さんは大きく息を吐いた。
「毎日、須賀が真琴ちゃんを駅まで送り届けるのは簡単にできたと思うの。だけど、それはしなかった」
「どうしてですか?」
すべてを私に話してくれれば、私だって何か他に策はないか考えただろうし、何より藍沢さんに近づくようなマネはしなかった。
須賀主任の意図が読めず、私は怪訝な思いを隠さず久美さんに聞くと、彼女は苦笑した。