MちゃんとS上司の恋模様




「まずは藍沢に変な警戒をさせないため。須賀が真琴ちゃんを守っているとわかったら、藍沢のヤツはむきになるのは目に見えているのよ」
「?」
「藍沢は昔から須賀にライバル意識が強くてね。それを須賀はわかっているから、自分が表立って真琴ちゃんを守るわけにはいかなかったってわけ。で、残業をさせるという形を取っていたようなのよ」
「……」
「真琴ちゃん、素直で隠し事できないから。色々対策練っているって藍沢に勘づかれると厄介だと思ってのことじゃないかしら」

 相変わらず分かりづらいのよ、須賀のヤツ! そう言って久美さんは目くじらを立てて怒っていたが、私は胸がドキドキして苦しかった。

 鬼軍曹だとか、S上司だとかさんざん口に出して言えないことを思っていたが、実はそのすべてが自分を守るためにしていただなんて……

 他の社員には気遣いバッチリなのに、どうして私だけは雑な扱いなんだろう。そのことについて何度不満に思ったことだろうか。
 だけど、それは違っていたということらしい。

 私は、ずっと須賀主任に守ってもらっていた。その事実を目の当たりにし、私の胸がキュンと切なく鳴いた。そして、同時に嬉しさが込み上げてくる。

 須賀主任が自分のことを見守ってくれていた。それがこんなに嬉しいだなんて。
 昨夜だって大ピンチだった私の元に駆けつけてくれ、そして私の身を案じて叱ってくれた。
 ずっとずっと、私を見守ってくれていた。込み上げてくるものは甘酸っぱい気持ちだった。

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