MちゃんとS上司の恋模様




 早く化けの皮を剥がして支社の女子社員たちの目を覚ましてやりたい。
 そう思って好機を狙っていたのだが、敵もなかなかにしぶとく、化けの皮が剥がれることはない。

 いや、確かにカッコいいとは思う。だけど、それだけじゃない。
 仕事だって出来るし、頼りになる。この前だって……

 そこですぐに須賀主任の擁護に入る自分に、ハッとする。

 この頃の私は変だ。自分の中で、須賀主任はどんな立ち位置なのだろう。自分でもよくわからない。

 主任の顔を思い浮かべようとすると、あの日のキスを思い出してしまった。
 慌てて頭を振り、キスをしてきたときの須賀主任の顔を頭から消す努力をする。

 一人挙動不審に陥っている間にも、昼休憩を知らせるメロディーが流れた。

 ああ、貴重な昼休みがなくなるお知らせをされた気持ちだ。
 仕方がなく会議室に入ると、スクリーンのセッティングやら、コーヒーの準備などをする。すると、会議室に鬼軍曹こと須賀主任が入ってきた。

「麦倉、ちゃきちゃき仕事しろよ」

 椅子を運ぼうとしていた私から椅子を取り上げ、須賀主任はスピーディーにセッティングしていく。

「そこに置いてある資料、配ってくれ。さっさと終わらせないと休憩がなくなるぞ?」

 そう言って、須賀主任は力仕事をサクサクとこなしていく。


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