MちゃんとS上司の恋模様
「何か言いたげだな?」
そう言って、手を握られた。前に駅まで送ってもらったときと同じような熱を感じ、私はハッとした。
「触らないで」
須賀主任に手を握られ、私は顔を歪めた。その手を振りほどこうとしたが、それは叶わなかった。
もう自分でもよくわからない。須賀主任は私をどうしたいのだろう。
ああ、そうか。こうして苛めて困っている様子を見るのが楽しいのか。
やっぱり生粋のS属性だ。
そうでなければ、キスしたことなどなかったみたいに、私に近づけないはずだ。
キッと須賀主任を睨みつけたが、彼は心配そうに、優しげな目で私を見つめてきた。
どうして、そんな目で私を見るのか。本当に訳が分からない。
須賀主任は、再び私の手をキュッと握りしめた。
「ダメだと言われると触りたくなる」
「セクハラです!」
声を上げる私に、須賀主任は涼しい顔で言う。
「なんとでも。愛ある接触ならセクハラにならない」
「愛なんてないし!」
掴まれていた手が、須賀主任の口に近づいていく。
慌てて引っ込めようとしたが、一足遅かった。