MちゃんとS上司の恋模様




「しっかり食って、休憩しろよ」
「え……」

 この紙袋は見覚えがある。会社近くにあるパン屋さんのモノだ。
 ボーッとその紙袋を焦点が合わない目で見つめていると、耳元で須賀主任は囁いた。

「麦倉。この続きは、また今度」
「っ!」
「そのときまでに、覚悟しておけよ?」

 須賀主任の吐息が当たった耳は、一気に熱を帯びていく。
 返事ができない私は、ただ、須賀主任が会議室から出て行くまで身動きが出来なかった。

 やっとの思いで椅子に座り、須賀主任が置いていった紙袋を覗き込む。
 そこには、前に須賀主任がいる席で私が好きだと話していたベーグルが入っていた。

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