MちゃんとS上司の恋模様
(とにかく帰る。さっさと帰る!)
昼過ぎから、何度同じことを呪文のように唱えているだろうか。
あと少しで定時も終わる。今日は残業する気はさらさらない。絶対にしたくはない。
とにかく一秒でも早く就業時間が終わってほしい。終わったら速攻で帰る。誰よりも早く帰ると心に誓って仕事をしてきた。
あと五分。もう少しの辛抱だ。
私は、仕事のやり残しはないか、しっかりと確認をする。
今日やらねばならない仕事はすべて終了した。あとは刻一刻と就業時間が過ぎるのを待つのみだ。
どうしてこんなに早く会社から離れたいと思っているか。
それは言わずもがな、鬼軍曹のせいだ。
私の昼休みは散々だった。
休むことなどできず、私の頭と心は乱れに乱れ、悩みに悩み、そして戸惑いと羞恥心で何が何だか分からない状況となった。
それもこれも、すべて鬼軍曹こと、須賀主任のせいだ。
ここ最近、私の心が乱れていたのは須賀主任が意味深なキスを私にしたせいである。
私にキスをしてきたあと、これといったアクションはなく、そして通常仕様の須賀主任を見て何度ヤキモキしたことか。
それが今日の昼。ずっと押さえこんでいた気持ちを、ぽろりと口に出してしまった。
だから……あんなキスをされてしまったのだ。