MちゃんとS上司の恋模様
「藍沢。俺は言ったよな? 麦倉に近づくな、と」
どうやらあの事件以降に、須賀主任は藍沢さんにけん制をかけてくれていたようだ。
藍沢さんが息を呑む。
須賀主任の迫力に怯えた様子だった藍沢さんだったが、我に返ったように自身の主張をする。
「須賀の意見など聞かない。俺は真琴ちゃん本人に話をしたかっただけ」
「お前が欲しいのは、麦倉の身体だろう?」
「そういう須賀だってそうなんじゃないか?」
なんですか、それ。思わず呟いて須賀主任を見上げると、心底呆れたように眉を寄せた。
「バカが。お前は処女を味わいたいだけだろう? 俺は違う」
何を言い出した、須賀課長。真っ赤になって狼狽えてしまう。
須賀主任から藍沢さんという男が処女を食いものにしていると聞いてはいた。
だけど、面と向かって言うだなんて。
それに私のこと処女だと断言ですか、二人とも。本当のことだから反論はできないが、恥ずかしいやら、憤りやらで慌ててしまう。
だが、須賀主任は私をもっと混乱の縁に落としたいらしい。
シレッとした様子で、須賀主任はとんでもないことを言い放った。