MちゃんとS上司の恋模様




「藍沢。俺は麦倉を抱いたぞ?」
「な!?」

 藍沢さんは目をカッと見開いた。もちろん私も驚いた。驚いたなんてものじゃない。
 いつ私は須賀主任に抱かれたというのでしょうか。

 いや、今抱きしめてもらっている。でも、話の流れからして“抱く”というのは抱きしめるのではなく、所謂身体の関係のことを言っているのだろう。

 驚きのあまり声もでない。そんな私を見下ろし、須賀主任はフッと優しげに笑う。

 ドクン、と大きく胸が跳ねる。
 こんなに優しげにほほ笑む須賀主任は見たことがない。だけど、それだけじゃない。
 瞳の奥にはどこか艶やかな色気を滲ませている。
 一体何が起きているのか。訳が分からない。

 須賀主任に出会ってからというものの、訳が分からないことだらけだ。
 ひとつひとつ、解説をしてほしい。誰か、助けて!

 唇を震わせるが言葉にはならず、私はそのまま須賀主任にギュッと抱きしめられた。


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