MちゃんとS上司の恋模様




 今だから言えることなのかもしれないけど、私は初めから須賀主任のことが気になって気になって仕方がなかったのかもしれない。
 その考えに辿り着いたとき、お兄ちゃんの嫁である典子ちゃんの言葉が脳裏を過ぎった。

 あのときは必死に否定をしたが、私はあの頃にはもう、ドS上司の鬼軍曹が好きだった……と言うことなのだろうか。

『須賀さんのお話するとき、嫌っているようには見えませんでしたよ?』

 そう言って笑っていたことを思い出す。
 どうやら私は、とっくの昔に須賀誠一という男に魅入っていた。そういうことなのだろう。

 混乱極まる私の思考はすでにショートしそうだ。だが、須賀主任はやはりドS上司の名に恥じない命令を私に下す。

「お前が俺の女になるのは……今からだ」
「え……ええ!?」
「何だよ、その驚き方は」
「だ、だ、だって……それって命令ですか?」

 こんなときでもSの顔を覗かせる須賀主任に、異議申し立てだ。
 むくれる私の頭を、その大きな手で包み込む様に触れ、せつなそうに眉を下げる。

 その表情は反則だと叫びたくなるほど色気たっぷりだった。


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