MちゃんとS上司の恋模様
「藍沢なんかのために、傷つくなよ」
「え……?」
驚いて須賀主任を振り返ると、彼は真摯な表情で私をジッと見つめていた。
「真琴のよさは俺だけが知っていればいい」
「須賀主任……」
「仕事は丁寧で、痒いところに手が届くじゃないけど、真琴なしではうちの支社営業部は回らないと思うぞ?」
「本当……?」
「もちろん。だからこそ俺の右腕になってほしくて鍛えているんだからな。苛めているわけじゃないんだぞ?」
フッと優しく笑い、目尻に皺を寄せる。そんな表情も会社では見たことがない。
知らなかった須賀主任を一つ一つ知っていくことは、こんなにも幸せで嬉しいものだなんて。
トクン、トクンと早まる鼓動と共に、恋の深みに落ちていく。
「容姿だって可愛い。目はクリンと丸くてぱっちりしているし。唇もポテッとしていて柔らかい。ピンク色に染まっている頬は齧りつきたくなるほど可愛い」
「す、須賀主任!」
賛辞の嵐に最初こそ嬉しさが込み上げてきたが、恥ずかしくて堪らない。
もういいですから、と止めたのだが、須賀主任は“麦倉真琴の好きなところ”を語り続けていく。