MちゃんとS上司の恋模様
私たちが付き合いだして数日が経った。
だが、あの夜のこと——— 藍沢さんに関すること、私と須賀主任の関係——— を誰も知らない状態だ。
沽券に関わると思ったのか。
藍沢さんは私たちが付き合いだしたことを誰にも言っていなかったようだ。
そのことについてはかなり心配していたから、ホッと胸を撫で下ろす。
女子社員にかなりの人気を誇る須賀主任である。
まさかまさかの私が、彼女の座を射止めただなんて知られたら……それこそ地獄絵図である。
私たちが結ばれた夜。『絶対に私たちの関係は隠し通しましょう』と須賀主任にお願いしたのだが、フフと意味深にほほ笑むだけ。
藍沢さんより、須賀主任の方が危険極まりないように思った瞬間だった。
思い誤ったか、そんなふうに考えながら仕事をしていると、久美さんに肩をガシッと掴まれた。
「真琴ちゃん」
「ど、ど、どうしましたか? 久美さん。顔が怖い……」
「キスマーク見えてる」
「え!?」
久美さんに指摘された場所を見る。確かに赤くなっていた。
そこでハッと思い出す。須賀主任が『これで二度と藍沢は近づかない』などと言いながらキツく吸い上げられた痕だ。
これを藍沢さんに見せてダメ押しをするつもりだったのか!
真っ赤になって隠していると、久美さんは低く怖い声で言う。