MちゃんとS上司の恋模様



 手首から須賀主任の熱を感じ、一気に顔が熱くなった。
 ただ胸の鼓動だけが高鳴り、須賀主任から目が離せない。
 フェロモンダダ漏れの男に見つめられすぎて、おかしくなったのかも。

 心中穏やかでいられない私に、須賀主任は甘く囁く。

「ずっと触っていたくなる」
「!」

 再び何を言い出した、この人は。

 私は貴方とは極力距離を保っていたいのに、それを阻止するなんて困る。

 慌てる私に、須賀主任は壊れ物に触るように優しく柔らかく私の手に触れる。
 意味はないのかもしれない。だけど、その触れ方は官能的に感じてしまう。

 ズクンと下腹部が疼き、恥ずかしくなって慌てて手を引っ込めた。
 しかし、私のその行動は須賀主任にはお気に召さなかったようだ。

 須賀主任は不服そうに眉を顰めた。

「もっと触らせろよ」
「イヤですよ! どうして須賀主任に触らせなくちゃいけないんですか? セクハラです!」
 顔を真っ赤にして訴えると、須賀主任の眉間の皺は大きく刻まれた。
「セクハラ?」
「そうです、セクハラです!」

 ドS主任は、セクハラ大魔王でもあるのか!? 

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