MちゃんとS上司の恋模様



 見られたくない、なんて思われるのはさすがに傷つく。
 ホッと胸を撫で下ろす私を見て、藍沢さんは困ったように肩を竦めた。

 どうやら私の不安などお見通しのようだ。

「麦倉さんと一緒にいるところを、社内の人間に見られたくないとか、そんな失礼な理由じゃないからね」
「あ……はい」

 バツが悪くてコクコクと慌てて頷くと、藍沢さんはとても楽しそうに私を見つめている。
 彼と視線が合い、ますます居たたまれなくなるし、ドキドキしてきてしまう。

 藍沢さんはステキな笑みを浮かべていて、そんな表情の彼を見ると私も俄然お昼が楽しみになる。
 クルクルと表情を変える私が面白いのか。藍沢さんはクスクスと声を上げて笑う。

「じゃあ、あとで」
「はいっ!」

 思わず元気よく返事をしてしまった。

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