MちゃんとS上司の恋模様




 すると、すぐにメイン料理が運ばれてきた。鯛のポワレがテーブルに置かれる。
 どうぞ、と藍沢さんに促されて口に運ぶ。

「とっても美味しいです!」
「良かった」

 ホッと胸を撫で下ろした藍沢さんを見て、思わず胸がキュンと鳴く。

 藍沢さんは年上の男性だ。年下の私が彼を見て「可愛い!」なんて思ったら失礼にあたるだろうか。
 今さらながら天使なアイドルを独り占めだ、と思わず顔がにやけてしまう。

 皮がパリッパリのフランスパンをちぎって口に頬張る。
 焼きたてのパンにバター。最高の組み合わせだ。

 おいしい! と連呼している私に藍沢さんは視線を向けたあと、お箸を置いてお願いをしてきた。

「麦倉さん、実は……妹が今度結婚するんだ」
「妹さん、結婚されるんですね。おめでとうございます」

 小さく頭を下げると、藍沢さんは満面の笑みを浮かべる。

「ああ、ありがとう。僕には生意気な妹だけど、可愛い妹に違いないからね」
「きっと藍沢さんの妹さんも、ステキなお兄様のことが大好きだと思いますよ」
「そうかな……だといいけどね」

 そう言って照れる藍沢さんは、まさに天使。ああ、目映すぎてクラクラする。



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