MちゃんとS上司の恋模様
「妹の結婚祝いを買いに行きたいんだけど何を買ったら良いのかわからなくて。妹は麦倉さんと同じ年だからどんなものが好きだとかわかると思うんだ。一緒に選んでもらえないかな?」
「わ、私がですか?」
ビックリして自分を指差すと、藍沢さんはウンウンと何度も頷く。
「麦倉さん、いつもとても可愛らしい格好しているよね」
「え? そうですか?」
「うん。可愛らしい麦倉さんにピッタリだなぁと思っていたんだ」
「!」
そんなに褒めても何も出せませんけど、と真っ赤になって慌てていると、藍沢さんは目をゆっくりと細めた。
「うちの妹、麦倉さんと同じような服を好んで着ているんだ。だから、きっと麦倉さんとうちの妹の好みって似ているんじゃないかなぁと思ってね」
「ああ、それで。なるほどです……私でお役に立てるなら!」
「ありがとう。もし、麦倉さんの都合がよければ、今日の仕事上がりにお願いできないかな?」
「今日ですか!?」
今日の仕事明けのスケジュールを思い出すが、特にこれといって用事はない。
だから藍沢さんと一緒にプレゼント探しに行くことは可能だ。だけど……
会社に着てきた服装を思い出す。
我が社の女性には事務服が支給されているため、仕事帰りに用事がある時以外のときは結構油断した服装をしていることが多い。
今日着てきた服は、この前一目惚れして買ったワンピースだった気がする。
清楚なお嬢様風のベビーピンクのワンピースだ。あれだったら、天使な藍沢さんの隣にいてもギリギリ大丈夫だろう。
そんなことを考えていると、私の顔を藍沢さんが覗き込んでくる。