不器用な彼女
近所に詩織とカツミの悲鳴が響き渡った。



「アホか！どこ触らせてんだ！」

「痛ぁい！本気でぶつことないじゃない！」

「もう10発殴らせろ！
俺のだってまだ触って貰ってねーよ！」

「あら？そうなの？ お先にゴメ〜ン♪」



詩織は社長を引きずり神楽を出た。 このままでは本当にカツミが殴られてしまいそう！

神楽から社長の家は車で２分くらいなものだ。

カツミは勝成で、実は男で、体はまだ工事中で、昔は寿司屋で修行していて、社長は高校から大学までそこでアルバイトをしていたと言う事実を知る。

「びっくりしました！」

「あいつ、もっかい殴る！」

鬼の形相で立腹している社長が可愛く見えて仕方がない。ソファーにドカッと座り拳をグッと押さえるような仕草をしてる。

「おい！何笑ってんだよ？お前も触ってんじゃねーよ！避けろ！アホ！」

「いや〜、私、想われてるんだな〜と思って」



フンフン鼻息荒い社長の頬にそっとキスをする。
そのキスで怒りがスゥッと引いたようだ。まさか詩織からキスするなんて思ってもいなかったんだろう。



「社長、カワイイ！耳、赤いですよ？」



「うるせぇ！」


社長はソファーから立ち上がり詩織を軽々と担ぐと隣の部屋のベットに優しく落とす。

ゆっくりと覆いかぶさると詩織の唇に長く深いキスをした。





















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