二番目でいいなんて、本当は嘘。
残るは、白い仔猫が1匹。

オッドアイのきれいな猫なのだが、尻尾が折れ曲がっていることと、噛みつき癖があるせいで、1匹だけ売れ残っている。

桐生社長からも、「時間はかかるかもしれないけれど、いい飼い主を見つけてあげましょう」と言われていた。


でも、私自身はこの子の飼い主は見つからなくてもいいかな、と思いはじめていた。

地下駐車場で私が最初に抱きあげたのもこの子だったし、シズクとの相性もいいようだ。
噛みつき癖なんて仔猫にはよくあることだし、根気よく「ダメ!」と言い聞かせていけば、そのうちなくなるだろう。


家族が増えるのもいいかな。
もうすでに私のなかでは、白い仔猫を我が家に迎えるつもりでいた。

どうか欲しいという人が現れませんように。
そんなふうに、願いはじめていた。
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