二番目でいいなんて、本当は嘘。
***
週末、新しい飼い主と待ち合わせをして、4匹の仔猫のうち3匹を引き渡した。
里親になる人たちは、私か桐生社長のどちらかが事前に面談していたこともあり、仔猫をかわいがってくれそうないい人ばかりだった。
そして、最後の1匹の貰い手は、これから顔合わせをすることになっている。
里親候補の人は桐生社長の知り合いだそうで、桐生社長も同席することになっていた。
「君とも今日でお別れかぁ」
ケージの隙間から指を入れると、白い猫はすりすりと額をこすりつけてきた。
兄弟がいなくなって落ち着かないみたいで、ケージのなかをうろうろしたり、体を舐めたりしている。
「新しい飼い主が、やさしい人だといいね」
「みゃあ」
「噛みついたりしちゃだめだよ。あと、爪とぎも決められた場所にするようにね」
「みゃあ」
私がなにかを言うたびに、仔猫は「みゃあ」とよい返事をする。
なにを言われているか、わかってるのかな。
いや、わかってないだろうな。
これから先の運命も、もちろん仔猫は知らない。
週末、新しい飼い主と待ち合わせをして、4匹の仔猫のうち3匹を引き渡した。
里親になる人たちは、私か桐生社長のどちらかが事前に面談していたこともあり、仔猫をかわいがってくれそうないい人ばかりだった。
そして、最後の1匹の貰い手は、これから顔合わせをすることになっている。
里親候補の人は桐生社長の知り合いだそうで、桐生社長も同席することになっていた。
「君とも今日でお別れかぁ」
ケージの隙間から指を入れると、白い猫はすりすりと額をこすりつけてきた。
兄弟がいなくなって落ち着かないみたいで、ケージのなかをうろうろしたり、体を舐めたりしている。
「新しい飼い主が、やさしい人だといいね」
「みゃあ」
「噛みついたりしちゃだめだよ。あと、爪とぎも決められた場所にするようにね」
「みゃあ」
私がなにかを言うたびに、仔猫は「みゃあ」とよい返事をする。
なにを言われているか、わかってるのかな。
いや、わかってないだろうな。
これから先の運命も、もちろん仔猫は知らない。